明日、2月17日は宇都宮で能『土蜘蛛』の後シテを勤めます。
この能は土蜘蛛の精魂(シテ)が、実際に蜘蛛の糸をまき投げかける、という観ていても楽しい派手なお能です。



巣は鉛を芯にして雁皮紙(がんびし)という薄い和紙で巻いて作ります。

うまく投げると、綺麗な放物線を描いて頼光(ツレ)や独武者(ワキ)にかかります。

私の初演は、昭和46年16歳の時。

あ~あれから一度も投げていないので
明日は少々不安です。

投巣は一回限りの使い捨てです。
一個のお値段がいま判りませんが、
コストがかかるので何度も練習したりすることは出来ません。

試し投げも一度する方もいらっしゃいますが、
皆様、出たとこ勝負でやられていますし、
私の初演も、確か練習なしだったように、覚えています。

巣の投げ方は、基本的には左手で投げます。
左手の親指で留め紙を切り、芯棒を押さえて相手の左側目掛けて
投げます。



昔は幅の広いテープのようなものを二・三本投げていたようですが、
明治時代、金剛唯一という能役者が現在のような華やかな細かい糸を
工夫した、と言われています。



では明日、入場無料のお申し込みをされた見事当選された皆様に
綺麗な放物線がお見せ出来るように頑張ります。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (さとう@元酒田喜多会)
2010-02-16 10:07:35
先生から初めて習ったお謡いが「土蜘蛛」でした。懐かしい!実はあれから見るチャンスがなくて残念です。ああ、宇都宮行きたいなあ・・・。
 
 
 
お返事 (粟谷明生)
2010-02-16 10:15:10
さとう様
お久しぶりですね
元気かな?

土蜘蛛だめでも粟谷能の会の定家は
来られない?

こちらは、一生に一度の出来事なんだけれどなあ~~~
 
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