NHK連続テレビ小説の歴代ヒロインが当時を振り返る大型連載「朝ドラのころ」がスタート。第1回は1996年前期の「ひまわり」に主演した女優、松嶋菜々子(45)が登場する(全5回)。モデル出身のスター女優は、約2000人が参加したオーディションで選ばれ、朝ドラが初主演作。会社をリストラされて弁護士を目指す女性を熱演し、国民的人気を得た。4月1日スタートの100作目「なつぞら」では広瀬すず(20)扮するヒロインの育ての母を演じ、23年ぶりに朝ドラに帰ってくる。
「ひまわり」の撮影が終わる頃、スタッフの方が「次の朝ドラはお母さん役だね」と声をかけてくださったんですが、本当に「なつぞら」の母親役で戻ってこられるなんて…。私もそういう年齢になったんだな、と思いましたね。
「ひまわり」をもう一度見るのは怖くてできないですね(笑)。出演する前は、ファッション誌「ViVi」などのモデルの仕事が中心でした。173センチの身長は当時の雑誌にしては背が高すぎて、ショーに出るには低すぎて中途半端。もうちょっとお洋服をうまく見せられるようになりたいとか、年齢を重ねたら次の憧れのお姉さん雑誌に出てみたいなというのが、そのときの目標でした。
ドラマには何シーンか出演したことはありましたが、演技をしたというレベルではありませんでした。当時のマネジャーから朝ドラヒロインのオーディションに「応募してみたい」と相談をされて、私自身は絶対無理だと思っていました。けれど、運がいいことに最終選考まで進んでしまい、プロデューサーと監督がお食事へ連れて行ってくださったんです。最後のデザートまでしっかり食べて「私にはお芝居をやれる自信がないのでヒロインは無理だと思うんです」と言ってしまい、後でマネジャーから「生きた心地がしなかった」と怒られました(笑)。