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松たか子、初の単独主演 「ジェーン・エア」

2009年8月17日

写真拡大松たか子=東京都墨田区、横関一浩撮影

 女優・歌手の松たか子が主演するミュージカル「ジェーン・エア」(ジョン・ケアード脚本・作詞・演出)が9月2日に東京・日比谷の日生劇場で開幕する。原作はシャーロット・ブロンテの同名作で、松にとって初の単独主演。9月1日にはプレビュー公演もある。「過去を背負った大人の男女が一生懸命、必死になっている姿が人間的な作品です」

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 ミュージカルでは父の松本幸四郎が主演する「ラ・マンチャの男」などに出演し、体当たりの演技を見せてきた。「初の単独主演」については、「芝居はみんなでつくるものだから、意識にあるのは、主役ではなく、自分の役ということだけです」。

 「ジェーン・エア」は、深い愛情と不屈の意志を胸奥に宿した女性の物語だ。両親に先立たれたジェーン(松)は教師となってロチェスター邸の家庭教師となる。ジェーンはロチェスター(橋本さとし)と恋に落ち、結婚を誓い合う。しかし、彼には驚くべき秘密があった――。

 「正しいことを言うけど、かわいくない、強い子供なんですね。でも、卑屈にならず成長していく。私も、納得いかなかったとき、大人に意見を言ったこともあった。ジェーンの行動、振る舞いは、わからなくはないですね。時代も国も違うクラシカルだから、逆に近づいていきやすいようにも思います」

 このミュージカルは00年9月、ブロードウェーで上演され、ロングランに。ケアードは「レ・ミゼラブル」の演出でも知られる。松は同作をニューヨークで見た。

 今回ケアードは、ドラマを際立たせるよう日本版を再構成したという。舞台を客席に張り出し、舞台上にも客席を設置する。「ケアードさんたちとは、日本語と英語のすりあわせをていねいにしています。その過程でジェーンの気持ちを発見することもある」

 りりしく涼しい瞳に注目が集まりがちだが、ときおり見せる伏し目のような表情も印象的だ。フェデリコ・フェリーニ監督の映画「道」に出演したジュリエッタ・マシーナにひかれるという。

 「大道芸に携わる、アクが強い女性の役。映画の中では死んでしまうけど、動きや表情が後から後から思い出され、勝手に自分の回想が始まってしまった。そういう力を持つ女優にひかれますね」

 29日まで。作曲・作詞はポール・ゴードン。出演はほかに幸田浩子、寿ひずる、旺なつき、壌晴彦ら。3150〜12600円。プレビューは別料金。電話03・5565・6000(松竹)(米原範彦)

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