竹島問題、政府“取り組み”の「本気度」とは… 専門家が憂慮する“消極姿勢”の背景
2月22日は「竹島の日」だ。日本政府は竹島について「日本固有の領土であり、歴史的にも国際法上も明らか」「韓国が一方的に竹島を取り込み不法占拠している」と主張している。 【写真】19日に都内で開かれた「竹島の日」集会 ところが「竹島の日」制定をめぐっては、竹島を所轄する島根県が国に対して要請を繰り返してきたにもかかわらず、一向にその動きがみられなかった。そのことから、島根県が2005年(竹島が同県の所轄となって100周年)に独自で条例を制定したという背景については、あまり知られていない。 なお現在に至るまで「竹島の日」は国の記念日となっていない一方、同じく領土問題を抱える北方領土については、1981年に政府によって「北方領土の日」(2月7日)が定められている。
問題の根本にある「日本政府の無関心さ」
日本では近年、学習指導要領の見直しによって竹島を「我が国固有の領土」と明記するようになり、小中高での領土教育は令和に入ってから始まった。一方の韓国では、長年にわたって竹島(独島)教育に力を入れており、現在は基本的にすべての学校で年10時間以上が割かれていることから、「日本の教育が後れをとっている」と問題視されることも多い。 しかし竹島をめぐる“本質的な問題”について、島根県竹島問題研究会の座長で、拓殖大学名誉教授の下條正男氏は「日本政府の無関心さ」と指摘する。 「『竹島の日』制定当時、政権与党の自民党と外務省は『日韓関係に支障をきたす』との理由で島根県の動きに反対する姿勢を示しました。たしかに2005年は日韓国交正常化から40周年の節目だったため、国としては一地方自治体に波風を立ててほしくないという思いもあったものと思います。 しかし当時、韓国国内では韓国創価学会が10万人規模の反日大会を開催し、統一教会(当時)も日本人信者に公衆の面前で謝罪するようなパフォーマンスをさせるなど、積極的な反対キャンペーンを行いました。 昨今広く知られるようになった自民党とこれら宗教団体との蜜月ぶりを考えれば、当時の日本政府が単に『日韓関係』のみを憂慮して『竹島の日』制定に反対していたのではないということは、容易に想像がつくのではないでしょうか」