十文字槍(読み)ジュウモンジヤリ

デジタル大辞泉 「十文字槍」の意味・読み・例文・類語

じゅうもんじ‐やり〔ジフモンジ‐〕【十文字×槍】

穂先下部左右の枝刃を出して、十文字形をした槍。十文字。

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精選版 日本国語大辞典 「十文字槍」の意味・読み・例文・類語

じゅうもんじ‐やり ジフモンジ‥【十文字槍】

〘名〙 穂が十字の形をした槍。十文字鎌。十文字。
※荒山合戦記(1586頃)能登国石動山衆徒蜂起「首取高名せよと詈掛、二間余十文字鎗の柄の握太なるを押取延

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改訂新版 世界大百科事典 「十文字槍」の意味・わかりやすい解説

十文字槍 (じゅうもんじやり)

槍身に枝のある鎌槍一種片側に枝のあるのは片鎌槍といい,両側に枝のあるのを両鎌(もろかま)または十文字というが,十文字槍も鎌の形によって,上向十文字,下向十文字,手違十文字などいろいろの名称がつけられている。十文字槍で有名なものに,宝蔵院流槍術がある。流祖胤栄(いんえい)の月形十文字槍は,月が水面に映るのを見て感得して,直槍に月形の枝槍を加えて一流を考案したといわれる。十文字槍は刺突に不向きのようであるが,受けもでき,また打ち込むようにして懸け倒したりする利のあることは,諸文献にも記されている。十文字槍を用いた槍術の形は,宝蔵院流で現在まで伝承されている。
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世界大百科事典(旧版)内の十文字槍の言及

【槍∥鎗∥鑓】より

…長い柄をもった尖頭器。柄をさし込む部分が袋状になっているものは矛(ほこ)とも呼ばれる。
【先史・古代の槍】
 木製,竹製の槍は,古くから人類が武器として用いたにちがいない。しかしながら,骨とか石とかを先端につけた槍は,旧石器時代でもごく末期に,しかもまれにしかつくられなかったらしい。それも手軽な投槍の類で,銛(もり)などと同様な用途をもったものかと思われる。もしちがうとすれば,ソリュートレ期にみる大きな葉形尖頭器であろう。…

※「十文字槍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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