皆の衆、狙った獲物は逃さぬ男…島津義弘である。
日本三名城の一つに数えられ、難攻不落の城として名高い熊本城。
その雄大さ故に、細部までくまなく見てまわる時間が無いという者も多いであろう。
そんな者達のためにも、此度は熊本城の防御の仕組みを教えよう!
此度紹介するのはこれじゃ!!
これは狭間(さま)といい、侵入してきた敵を弓矢や鉄砲で迎撃するための仕掛けである。
縦に長い長方形の狭間からは弓矢を、小さい方からは鉄砲を、という具合である。
読んで字の通り、その隙間は極めて狭く、侵入者側から反撃しようと思っても、この狭き間を正確に撃ち抜くことは容易ではない。
…しかし、「そんなに狭いのなら、守る側からも敵が見えないのでは!?」と思う者もおるやもしれぬな。
その疑問は実際に覗いてみればすぐ解決じゃ!
これは狭間を内側から見た写真である。
内側から見てもかなり狭く感じるが、これを覗いてみると…?
どうじゃ?
かなり広い範囲を見渡すことができるであろう!?
敵を狭い通路に誘い込み、進路を遮断した後にこの狭間から一斉に鉄砲と矢を浴びせる。
これでどんなに大軍が襲って来ようとも、一網打尽というわけじゃな!
流石は難攻不落の熊本城!
恐るべき仕掛けじゃな。
この狭間は宇土櫓や数寄屋丸、飯田丸内でも見ることができる。
熊本城へお越しの際は、ぜひとも狭間も覗いてみて欲しい。
では本日はこれにて。
皆の衆、明日もよき一日に。
島津義弘