2012年4月10日火曜日

ウィルソン株は生きている?

屋久島ガイド連絡協議会主催の勉強会で、屋久島の山守とも呼ばれる樵の長老、 高田久夫さんと小杉谷を歩いてきました。 昭和初期の屋久杉伐採状況やトロッコ軌道などについて さらには、植林の状況や森の変遷や巨大すぎについて・・・。
などなど尽きない話でしたが、一番驚いた話は・・・ 『50年前までウィルソン株は生きていた』というお話。 ガイド一同声をあげました! 表杉と呼ばれる太平洋側の杉は基本的には伐採をされればそのまま枯れていきます。 ですが、伐採以前に根などが他の杉に地中でつながっていれば、 水や栄養分の輸送パイプもつながり、伐採後もその期の根として生きていけるのですが、 なんと300年以上前に伐採されたというウィルソン株もその状態だったらしいです。 ちなみにその後、皮を剥がれたことによって現在は枯れています。 考えてみるとあり得ない話ではなく、実際に高田さんはその状況を見ていたらしいです。 最近はウィルソンハートなどと呼ばれる、株の中から見上げた空洞は、 生きていた表皮側と朽ちていく内側の木部がつくりだした、自然の造形なのでしょう。